年齢を重ねたからこそ、届く言葉がある
先日、新規のお客様のお宅へお伺いしました。
午前のお客様は、私の顔を見た瞬間、
ほっとしたような表情をされていたのがとても印象に残っています。
お話を伺うと、
「若い人ばかりで、言いたい事が伝わらない」
とのことでした。
その言葉を聞いて、
年齢を重ねることにも意味があるのだな、と
少しだけ、くすぐったいような気持ちになりました。
若さならではの良さももちろんあります。
でも、家づくりや暮らしの悩みは、
図面の中だけでは完結しないことが多いものです。
子育てのこと。
家事のこと。
物の量。
家族の関係性。
これから先の暮らし方。
そういう、言葉になりにくい部分まで含めて受け取れること。
それは、年齢や経験を重ねてきたからこそ
できることなのかもしれません。

午後からも別のお客様宅へお伺いし、
今の暮らしぶりを拝見しながら
新築プランについてのお話をしました。
こちらのお客様は、これまでにも何度も
他の工務店さんにプランを依頼されていたそうです。
けれど、
「素人の自分たちでも分かるくらい、収納がまったく望んでいる形にならない」
と感じておられたとのこと。
暮らしに合わない収納は、
どれだけ見た目が整っていても、
結局は使いにくくなってしまいます。
何に困っているのか。
どこで動きが止まるのか。
何が出しっぱなしになるのか。
どんな物を持っていて、
これからどんな暮らしをしたいのか。
率直にお話しくださったからこそ、
その方に合うプランを考えることができます。
お客様から
『たくさんの引き出しを持っておられますね』
と言っていただきました。
でも私自身は、
特別なことをしてきたという感覚はあまりありません。
ただただ、愚直に。
目の前のお客様の暮らしを見て、
考えて、提案してきただけです。
産後ドゥーラとしての経験。
整理収納の仕事。
設計の仕事。
不動産や暮らしの相談。
その一つひとつは、最初は点だったのだと思います。
けれど今、
その点と点が少しずつつながって、
引き出しとしてお客様に提供できるようになってきた。
それが、何より嬉しいです。家は、ただ建てるだけのものではなく、
そこで暮らす人が毎日を少し楽に、少し心地よく過ごせるための器だと思っています。
これからも、
図面だけでは分からない暮らしの声を受け取りながら、
収納を織り込んだ暮らしの設計をしていきたいと思います。
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